性感染症の予防と対策

HIV感染者の70%は男性同性愛者ですが、20代は異性愛者でも増加中

私たちの体にはウイルスなどの病原体が侵入した際にそれを発見し、破壊する免疫システムが備わっています。しかし、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染すると免疫システムの中心的な役割を担っているヘルパーT細胞などが破壊され、免疫が働かなくなり、健康ならば罹ることのない感染症(日和見感染症)になってしまいます。これがエイズ(後天性免疫不全症候群)と呼ばれる状態です。

2013年末時点で世界のHIV感染者数は約3500万人となっています。1990年代後半から新規感染者数は世界的に減少傾向にありますが、日本では横ばい状態が続いており年間1000人ほどが新たに感染しています。

日本におけるHIVの主な感染経路はセックスとなっており、女性は膣粘膜、男性は亀頭部分の粘膜の傷からウイルスが侵入します。感染者の70%は男性同性愛者となっていますが、20代の若い人では異性間のセックスと同等の割合になっていることから、男性同性愛者以外の人も注意が必要です。

クラミジアや淋病、ヘルペスなどの性病にかかっている人は、皮膚粘膜が損傷しているためウイルスの感染リスクが健康な人に比べて大幅に上昇します。

HIVウイルスに感染すると、2〜6週間以内に風邪のような症状(発熱、関節痛、筋肉痛、リンパ節の腫れなど)が現れますが、これを以ってHIV感染症を疑う人はほとんどいないので、通常は医療機関を受診してHIV検査を受けるにまでは至りません。

これらの症状は数週間で自然治癒しますが、HIVは体内で増殖を続けており、数年かけて免疫機能を破壊し、日和見感染を起こして、結核、肺炎、カンジダ症、単純ヘルペスウイルス感染症、カポジ肉腫などを発症します。

現在の医療技術ではHIV自体を完全に排除することはできませんが、低下した免疫力を回復させてエイズの発症を遅らせる薬剤は多数開発されており、投薬を続けることで日常生活を送れるようになってきています。しかし、薬剤の効果を高めるためには、エイズを発症する前に早期発見することが大切です。

日本ではエイズを発症した後にHIVの感染に気づく「いきなりエイズ」が多いことが大きな問題となっており、既にパートナーも感染している可能性もあります。セックスの際にはコンドームを付けて、パートナーが替わったら二人ともHIV感染症を含む性病の検査を受けることが予防に効果的です。


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