性感染症の予防と対策

梅毒は過去の病気ではなく、感染者は増加傾向にあります

セックスを介して「トレポネーマ・パリダム」と呼ばれる細菌の一種が、傷口や粘膜から侵入して感染する性病です。梅毒と聞くと江戸時代の遊郭をイメージする人も多いためか、どうしても「大昔の性病」ととらえがちです。

確かに1940年代にペニシリンによる梅毒の治療がアメリカで成功し、日本でも梅毒の発生数は激減しました。ところが日本では1980年代後半に、原因不明の流行がありました。そしてこの10年で梅毒の感染者は3倍と大幅増加しており、2014年には1600人を超える患者が報告されているのです。

梅毒は慢性的な感染症で、長い時間をかけて4つのステージを進行していきます。感染後3週間ほどの第1ステージでは、口や性器の周辺などの感染部位にしこりができます。しこりの表面が爛れることもありますが、1か月ほどで自然治癒します。

感染してから3か月ほどで第2ステージとなり、全身に発疹が現れます。梅毒には特効薬としてペニシリン系の抗菌薬がありますので、脳神経などに重篤な症状が現れて死に至る、第3ステージ以降に進行する患者は現在ほとんどいません。

妊婦が梅毒に感染した場合、流産や早産のリスクのほか、胎盤を通じて胎児に感染する「先天梅毒」のリスクが生じます。先天梅毒の状態で生まれると、乳幼児期にお腹が腫れて膨らむ肝脾腫をはじめとした重い症状が現れます。日本では妊婦健診に梅毒の検査が行われますので、発症例はみられなくなりました。

梅毒の感染者の中心は長い間、男性の同性愛者でしたが、最近は異性間のセックスでも感染が拡大しており、男性は40〜50代と中年層が多いのに対して、女性では20代の若い層にも見られます。


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