性感染症の予防と対策

唇や口の周囲にピリピリ、チクチクとした痛みはヘルペス感染の疑い

単純ヘルペスウイルスに感染することで、口や性器などの皮膚に水疱(水ぶくれ)や潰瘍ができるのが「単純ヘルペスウイルス感染症」です。この病気はウイルスによって2つのタイプに分けられます。すなわち、単純ヘルペスウイルスの1型が引き起こす口唇ヘルペス、角膜ヘルペスなどと、単純ヘルペスウイルスの2型が引き起こす性器ヘルペスです。

HSVが口や性器に感染して痛みを引き起こす

いずれのウイルスも粘膜や皮膚の傷口から侵入し、一度感染するとたとえ症状が治まった後でも、ウイルスは神経節に残ったままで、風邪や疲労、ストレスなどで免疫が低下すると何度でも再発するのが特徴です。ただし最初の感染時に免疫が出来ているので、再発時の症状は比較的軽くなっています。

日本人の単純ヘルペスウイルス1型に感染率は50%〜70%とされていますが、感染率が高いのはこのような潜伏感染があるからです。初観戦時に症状が現れない人もおり、知らない間にウイルスに感染していることもあります。

1型のウイルスは口唇や口腔粘膜、目などを感染のテリトリーとしており、唇や口の周囲にピリピリ、チクチクとした違和感やかゆみ、ほてりを感じ、1〜3日後に水疱などの症状が現れたものが「口唇ヘルペス」です。大半の場合10日間〜2週間程度で自然治癒します。免疫のない初感染時は水疱がたくさんできて、発熱やリンパ節の腫れなど、症状が重症化することもあります。

2型のウイルスは、性器やお尻などを感染のテリトリーとしており、「性器ヘルペス」はその代表です。厚生労働省の統計によると、性器ヘルペスは男性の場合、性器クラミジア感染症、淋病に次いで患者数が多く、女性では性器クラミジア感染症に次いで2位となっています。

性器ヘルペスは発症者とセックスをすることで感染することが多く、4〜10日ほどの潜伏期の後、性器などに水泡や潰瘍が現れます。女性は外陰部が腫れあがって、歩行困難になるほどの痛みが出たり、排尿困難になったりと重症化する傾向にあります。感染が膀胱や子宮にまで拡大すると、尿が出なくなったり、流産になることもあります。

単純ヘルペスウイルス1型・2型は感染力が強いため、セックス以外にも、潰瘍などの患部に直接手で触れたり、便座、コップなどを介して感染することもあります。唾液に含まれていることが多い1型は、キスで感染することもあります。

1型のウイルスは口唇を中心に、2型のウイルスは性器を中心とした場所に感染しますが、初感染時は必ずしもそうではなく、1型なのに世紀に症状が現れたり、2型なのに口唇に症状が現れることもあります。

その理由はオーラルセックスにあります。1型ウイルスに感染した女性がオーラルセックスをすると、男性の性器にウイルスが感染することがありますし、逆に性器に2型のウイルスが感染していた男性がオーラルセックスを通じて、女性の口唇に移してしまうこともあるからです。

単純ヘルペスウイルスは、風疹、梅毒などと同様に、胎内感染で胎児に重篤な障害を及ぼす可能性があります。妊婦が感染している場合、極めてまれですが、先天性ヘルペス感染症の赤ちゃんが生まれてくる可能性があります。

大人だけでなく子供もヘルペスに感染しますので、水疱などが見られたら自己判断で放置しないで、小児科で医師の診察を受けましょう。


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